第36回 ブラックホール

オレ流超人批評
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相手を異次元へと誘う悪魔超人。異次元テクニックもさることながら、その頭脳にも着目だ!
出身異次元
超人強度200万パワー
必殺技ジャーマン・スープレックス
影分身 死刑執行
吸引ブラックホール
主な戦績キン肉マン●
マッスルブラザーズ●
(四次元殺法コンビ)

 彼は七人の悪魔超人の一人として登場しました。キャラデザインの確定までに、ありえないくらいの時間がかかったことで有名な7人の中で、いち早く正体をあらわした上にデザインもほぼ確定していたという、稀有けうな超人です(笑)。

 特筆すべき外見の特徴は、“ブラックホール”の名の通り、顔面にあいた大きな穴でしょう。いささかそのまんまという気もしますが、オレ的にはこのデザインはかなり秀逸だと思っています。というのも、顔というのは目や鼻や口が存在することが常識的なため、普通はそれらを含めてデザインされるものですが、彼の場合はそういった思考をまったく無視し、目や鼻や口をすっとばして大きな穴を躊躇ちゅうちょなくポッカリとあけてしまったところに発想の斬新さを感じるのです。

 しかもそれが幾何学的にバランスがとれたとてもスタイリッシュなデザインになっており、まるでアメコミのキャラのような雰囲気を醸し出しつつ、彼の個性をひときわ際立たせることに成功しています。また、初登場時にウォーズマンの顔面パンチを貫通させ、「なにィ!?」と仰天させるなど(そりゃ驚くよなあ)、インパクトの面でもかなりの個性を発揮していました。

 そんな彼は、悪魔超人軍団の中でバッファローマンと並んで主要なポジションを占めていたといえるでしょう。体の大きなバッファローマンを総大将とすると、スマートな彼はさしづめ軍団参謀といったところでしょうか。

 その圧倒的な存在感によりボスとしての説得力を感じさせたバッファローマンでしたが、オツムの方は今ひとつという印象がぬぐえなかった(笑)ので、それを補う形で彼が軍団の頭脳面を担当しているようなイメージがありました。事実、彼はセリフも多く、カメラポジションもバッファローマンと並んで常にいい位置をあてがわれています(まあ、他の悪魔超人のデザインが流動的だったという理由が大きいと思いますが)。

 また、彼はこのシリーズのもっとも象徴的なシーンである、「ミートバラバラ事件」の首謀者だったのではないかと、オレは密かに考えています。もちろん実行犯はバッファローマンですが、「じゃあ挑戦をうけるようにさせてやろうぜ」とGOサインを出したのはブラックホールなんですよね。このあたりのくだり(地球来襲→キン肉マン襲撃→宣戦布告→対戦強要)は、彼が脚本を書き、軍団を動かしていたような気がします。

 その他、彼が頭脳派であることの証明に、その高い分析能力があげられます。傷ついたキン肉マンの代わりにすりかわって闘おうとしたテリーマンの正体を、「左利き」「スリム」という点から暴いたり、ジャーマンで追い込んだキン肉マンに対し、「今までキン肉マンにやぶれた超人たちはここで油断して墓穴を掘った」と、ツメを誤らずに攻撃を続けるなど、さすがはコミックス1~9巻を熟読しているだけのことはあります(笑)。

 また、巧みな話術をもって自分に有利なリング(ソーラーハウスデスマッチ)を相手に了承させたりと、その行動の端々に彼の策士たる個性が見て取れます。

 頭脳派というだけあって、彼のファイトスタイルは悪魔超人というわりにはスマートです。パワフルさは感じさせませんが、流れるようなテクニックで相手を追い込むスタイルですね。自身の戦闘コンセプトに「異次元」「四次元」「ブラックホール」といったキーワードを抱いている通り、体に穴が開いたり、影に入り込んで攻撃をしたり、相手を吸引したりと、空間を意識した攻撃や防御が目立ちます。

 特に最大の必殺技である「吸引ブラックホール」は、自身の穴を通して相手をブラックホールに放り込むというダイナミック(無茶苦茶)なものであり、テリーマンの「ま…負けだ、キン肉マンの…」という発言や、バッファローマンの「ブラックホールに迷い込んで生還したやつは誰もいない」という評価も手伝って、奥の手というイメージを強烈に印象づけています。

 そして何といっても摩訶不思議なのが、そのブラックホール空間のカラクリですよ。自身の体にキズがつくと、空にもキズがつくという驚きの相関性。この「空にキズ」という、普通ならばとても考えつかないし、もし考えついたとしても、その前衛性によって描くことをためらってしまうような表現を、ゆで先生はあっさりと押し通しているんですね。これには当時、子供ながらに読んでいて「無茶だなあ」と苦笑しましたもん(笑)。結局このキズが命取りとなり、彼は敗北を喫してしまいます。

 正直なところ、彼が2戦目で消えたのは、ちょっともったいなかったかなあと思います。「策士」「紳士的なワル」「スタイリッシュな外見」「スマートなテクニシャン」といった、うまくすればもっと化ける要素があったキャラだと思うんですね。できれば団体対抗戦に登場して、バッファローマンとともに最後まで残ってほしかったですね。そしてその頭脳で陰湿な策略を張りめぐらし、悪魔超人軍団を指揮してもおもしろかったと思います。

 その後、彼は『夢の超人タッグ編』にて復活を果しますが、淡々と技をかけたり、かけられたりするだけで、以前の策士的な個性はまるで無くなっていましたね。ペンタゴンが「柔軟体操がわりにもってこいだぜ」とマッスルブラザーズをこき下ろしていましたが、逆に彼らのウォーミングアップとチームワークの調整に利用されてしまった感じがあります。

 このあたり、主力級から外れてしまったキャラの哀しさを垣間見た感じです。それこそ「個性」という武器を、ブラックホールに吸い込まれてはく奪されてしまったといったところでしょうかね。

※今回はサナさん、牛丼一筋30歳さん、kouheiさん、happy0413さん、本田さんほか、たくさんの方からリクエストをいただきました。ありがとうございました。

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