なぜ子どもは走るのか?

 市のプールに行ってきたんですよ。そこには健康ランドにあるような、休憩室があるんですね。和室で50畳くらいある、結構広い座敷です。

 まあ夏休みということもあって、子供づれの家族が多かったわけですが、その子ども達がやたらめったらと走り回るわけですよ。人がぐったりと横になっているそばを「ドタタタタ…!」と駆け抜けていくんです。これが一人じゃなくて、みんなそうなんです。別に追いかけっこをしている風でもないんですね。ただこっちから向こうへ移動するだけなのに、走るんですよ、彼らは。

 あまりにもみんなが同じ行動をするので、考えてしまったわけです。なぜ子どもは走るんだろうと。凝り固まった大人の考えでいわせてもらえば、走らなければならない必要性がまったくないんですよ。それなのに彼らは嬉々として走っているわけです。ひとりサンプルとして子どもをとっ捕まえて、「なぜキミは走るのか?」と聞いてみたかったのですが、さすがに親御さんに怒られそうなのでそれはやめました(笑)。

 というわけで、オレなりの予測をたてるしかないわけです。では今回のポイントをまとめておきましょう。

@彼らはすでにプールで遊んでおり、体力をある程度消耗している
A遊びにつれてきてもらい、気分が高揚している
B休憩室でお昼もしくはおやつというエネルギーを補給している
C同年代の仲間が複数存在する

といったところでしょうか。客観的な条件をあげるとこんなかんじです。まず@についてですが、これはプールごときでは彼らの体力を消耗させるに至っていないことを、ありありと証明しています。彼らの一日の運動エネルギーのMAX値を100と仮定しましょう。プールでの運動エネルギーを仮に50としますと、

100(MAX値)−50(プール)=50・・・(1)

という式が成り立ちます。そしてAの条件です。彼らは楽しいんですね。遊びに来たということで。この精神的高揚・興奮はふだんの体力を2割くらい増加させる効果があります。よって

50(1)X1.2(興奮値)=60・・・(2)

という結果になります。つまりプールからあがってもまだ60のエネルギーを保持しているわけです。そしてBの条件です。ここでさらなるエネルギーの補給があるわけです。まあ一日3食分の3分の1を補充するわけですから、30の増加を仮定しましょう。すると

60(2)+30(補給)=90・・・(3)

という数値が弾き出されるわけです。そしてさらにCの条件、仲間の支援効果ですね。これは相乗効果をもたらすので、(3)数値の2倍と考えてよいでしょう。つまり

90(3)X2(支援効果)=180

すごい! これはすごい! 彼らはプールにくることで、なんと180ものエネルギーを手にしてしまうわけです。一日のエネルギー量の8割増しです。なんとも恐ろしいですね。

 そして子どもというのは、電池が切れたように寝るじゃないですか。今まで騒いでいたのに、突然死んだように眠るパターンが多いんですよ。つまり彼らの体内エネルギーがゼロになった時点で、コテン、といくわけです。となると、必然的に彼らは夜までに180という余りあるエネルギーを使い果たさなければならないわけで、ゆえに彼らが常に走らなければならないという証明がなされるわけです。彼らは走って走ってエネルギーを消費しないと、夜眠れないんですよ。だから走るんです。

 う〜ん、思ったよりもかなり科学的な解釈をしてしまった(どこが?)。さらに科学的な根拠を提示すると、それは大人と子どもの歩幅に秘密があるんですね。これはどこかのHPでみたんですが、仮に大人の1歩分を、ガキんちょの歩幅3歩分と仮定しましょう。つまり

大人1歩=3X子ども1歩

という式が成り立ちますよね。となると、面積的にはどうなるでしょう。縦が3倍、横が3倍つまり

3X3=9

で、大人が感じる面積の9倍の広さを、子どもは体感しているわけです。3次元の空間でみるとさらにその3倍、なんと27倍の空間が出現するんですね。この休憩所の座敷が50畳ですから、面積でいうところの9倍、つまり

50畳X9=450畳

という、とんでもない空間にいることになるんですよ!こりゃたしかに走らなくちゃいつまでたっても目的地に到達しないですよ。

 というわけで、意味なく子どもが走っているわけではないことがわかりましたね。意外なことに、これは必然だったんですよ、はい。

(2004年8月18日)

 

 

 

 

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