−幕末人斬り伝−壬生の狼

1991(平成3)年 第36・37合併号

 

−幕末人斬り伝−壬生の狼 1991年第36・37合併号

 

 

解    説

壬生の狼好きさんの熱い要望により、オレジャン掲載です。野口賢得意の時代劇で、新撰組・沖田総司を描いた哀しい作品ですね。幕末の勤皇・佐幕といった関係は、ある程度歴史を勉強した人でないと、何がなにやらわからないので、マンガの題材にするのはなかなか難しいと思うんですね。まあ単純にいえば改革派(勤皇)と保守派(佐幕)と考えれば、かなり強引ではありますが、わかりやすいと思います。

そんな背景において、このマンガでは沖田総司を保守派、ヒロインのスズを改革派として描き、そんな敵対する間柄であり、結びつくことが難しい二人のほのかな恋心、お互いの立場のせいで犠牲になったスズの幼い妹、裏切り者の容疑で組織に粛清されたヒロイン、そして静かな怒りを冷徹に行動で示した主人公を哀しいトーンで描いています。

また、人斬りのシーンの描写が少年誌にしてはかなり残酷であり、その辺りも印象深いですね。野口賢の作品は、表情はマンガチックなのに、こういったところのリアリティは妙に写実調というか。そう考えると、この作品は少年誌ではなく、青年誌で発表した方がしっくりいったのかもしれません。女性キャラも必要以上にエロいし(笑)。

そして読み終えたあとでも、はたしてスズは組織を売っていたのか、総司はスズの正体を知っていた上であえて知らないふりをしていたのかなど、謎が残る作品です。

 

 

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