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第四章 『ジャンプ』マンガ内容分析

第一節 闘いと笑いと 〜ジャンル分析〜

 この章から『ジャンプ』が実際どのような情報を発信しているのか、様々な観点から分析していこうと思う。調査に使用した『ジャンプ』は、どの分析も基本的に1990年(平成2年)〜1994年(平成6年)の、最近5年間の中から1年に2冊ずつ(年頭号・夏の特大号)を選んだもので、計10冊であった。

表13 『ジャンプ』マンガ ジャンル分析

 表13は、連載マンガをジャンル別に分類し、その代表作を書き入れたものである。「一次ジャンル」とはそのマンガが属する基本のジャンルであり、「二次ジャンル」とは「一次」に付随する要素のことを指す。つまり「ツッパリ(一次)−格闘(二次)」の場合、ツッパリのキャラクターを題材にしており、ストーリーによってはケンカなどの格闘を含む、ということを意味している。「格闘−格闘」のようなジャンルはそのジャンルのみをテーマにしていることを示す。同じマンガが違うジャンルの欄に重複してあるもの(「格闘−格闘」、「格闘−ギャグ」にある『ドラゴンボール』など)は、その年年によってジャンルが微妙に、もしくは大きく変化していることを示す。

 その結果一番多かったのが、「格闘−格闘」のジャンルであり、全体の4分の1を占めていることがわかる。その次に「ギャグ−ギャグ」、「スポーツ−スポーツ」が13%くらいでほぼ並んでいる。一次ジャンル別にみると「格闘」と「ギャグ」が33、32タイトルずつで、ほとんど同数といっていい。しかし二次ジャンル別にみるとガラっと一転し、「格闘」が63タイトルと圧倒的である。つまり『ジャンプ』マンガにはどんなジャンルにせよ、「格闘」の要素を取り入れているものが多いことが、大きな特徴として挙げられる。思えば『キン肉マン』『北斗の拳』『聖闘士星矢』といった過去の大ヒットマンガもご多聞にもれず、「格闘」を基調としたものであった。「格闘」が多い特徴は、これら過去の売れたマンガを手本にした傾向なのかもしれない。

 「占有率」は、一次と二次の合計数を、全体のタイトルの2倍、248で割った割合であり、全体のパーセンテージである。これをみると「格闘」がやはり強く、全体の4割弱を占め、「ギャグ」が2割、「スポーツ」が16%という順になる。ほかにも様々なジャンルが存在し、残りを同じくらいの割合で分け合っている。

 「格闘」と向こうを張っているのが「ギャグ」であり、読者を笑わせる、楽しませるといった、マンガが持つ本来の力を失わせることなく、うまく雑誌に取り込んでいることがわかる。だが「ギャグ」に「格闘」を盛り込んでいる作品が9タイトルもあり、「格闘」の侵食度はやはり高い。

 この『ジャンプ』マンガの「格闘」の侵食について、吉弘幸介はこう述べている。

 テーマこそ違え、気をつけて見てみると、ストーリーのクライマックスに格闘を置いているのが、19本の作品中、3分の1以上、スポーツも勝敗を競う一種の闘争と描かれていることを考えれば、大半が、「闘い」を描くものといっていい。

 他の雑誌にしても、その傾向は変わらない。この幅の狭さはどうしたことだろうか。〜中略〜読者ニーズに合わせていった結果が、こうした状況を生んだものともいえるが、大部数ゆえに、編集者サイドも冒険や実験に対して、慎重にならざるを得ないという面もあるだろう。結局、少年マンガは「金太郎飴」に近付く。〔読売新聞1992年6月12日付け〕

 はたして「格闘」は“売れる”ための安易なジャンルなのであろうか。『ジャンプ』は「格闘」の剣と「ギャグ」の盾を持って、読者と格闘をする。

 

 

 

 

 

  

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