序 章

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参考文献

 

 「マンガ」についての項目は、大きく分けて10の項目に分かれる。どれも細かい質問に及んでいるのが特徴だ。その中で双璧をなすのが「キャラクター」と「印象に残ったページ・コマ・セリフ」について問うものである。

 「キャラクター」はマンガの命といえるほど重要な要素で、『Dr.スランプ』のアラレちゃんや、『北斗の拳』のケンシロウなど、ヒットマンガには必ず強烈なキャラクターが存在する。そのため、まずキャラクターのイメージを調査し、読者にどれほどのインパクトを与えたかを調べる。もし受けが悪ければ、いい方にキャラクターを修正していく。また、この調査の繰り返しで、“売れるキャラクター”作成のノウハウを『ジャンプ』は身につけていくことができるのである。

 「印象に残ったページ・コマ・セリフ」は、マンガの表現技法の人気を調べるものである。どういった構図・言葉が注目を浴びるのか、心に残るのか、絵と文章の二大表現の観点から調査を行い、常に洗練された表現技法の保持に細心の注意を払っているのである。

 新連載と読切にわけて見てみると、質問項目の違いが顕著に見てとれる。新連載で「キャラクター」と同じくらい聞かれることが、「今後の展開」である。読者がそのマンガにどのような展開を望んでいるのかを調査するものである。このことはまさに“読者優先主義”“売れるマンガ”を意識したものであり、『ジャンプ』マンガの商品性をよくあらわしている。

 読切について見ると、何といっても「マンガの支持・不支持」が目立つ。読切は新人マンガ家のチャレンジの場でもあるので、連載する資格があるのかどうかを読者に問うためのものなのだろう。「感想」を聞かれることも多い。新人育成の上でこれから気をつけるべきこと、長所などを知り、参考にするのだと考えられる。

 「その他」の質問項目は主に11項目に分けられる。特によく聞かれる項目が「ジャンプ」「生活」「流行」についてである。この3項目を中心として『ジャンプ』は今まで読者のニーズを捉え、雑誌作りに反映させてきたのである。「財布やポケットの中身も見えてなくてはつとまらない」とはよく言ったもので、実際「お年玉の金額」や「学校に持っていくもの」といった質問があった。また「かっこよさ」や「楽しみと悩み」といった、時代によって価値観や考え方が変化するものについて聞くものや、「ジャンプの買い方(ルート)」というマーケティング調査に関わってくるもの、「1色ページの見やすい色」といった、かなり細かい分野にわたって質問項目が形成されていることが分かる。つまり、『ジャンプ』はマンガはもちろん、流行や文化、生活、はては言葉のイメージといった抽象的なものにまで広範囲にわたってアンテナを張り巡らし、最新の読者情報、特に子どもが発信する電波をキャッチしようとしているのである。常に最前列を走るためには、最新のデータを取得する必要があるのだ。すべてはデータが握っているのである。

 1992年(平成4年)34号で『ジャンプ』はこんな言葉のイメージ調査をしている。

・一番心あたたまるものは?

・一番大切だと思うものは? 

・一番うれしいと感じるものは?

まさに創刊前の調査と同じである。時代によって価値観が変わる言葉のイメージ。いつまでも友情・努力・勝利がもてはやされるとは限らない。しかしその場合、『ジャンプ』ならばあっさりとその方針を換えるのであろう。読者の望むマンガ作りのために、そしてデータ第一主義の“売れる雑誌作り”のために。

 

 

 

 

 

  

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