まいっちんぐマチコ先生

 ♪い・つ・も・バあ〜ラあ〜色お〜に燃おえてえ〜
 ♪この胸え〜ときめくうう〜
 ♪つ・ぼ・み・かあらは〜なへえ〜
 ♪私はマチィコおおお〜 イエイイエイ!

 さ、のっけからバカ全開ですが、上記4行を読んでついつい歌を口ずさんでしまったキミ!何か熱い記憶を呼び覚まさないかな?いや、みなまで言うな。オレはわかってるぞ。それは少年時代に感じた、えもいわれぬモヤモヤ感。成長の過程に必ず発生する、性への甘い導き。

 なにをいってるか、さっぱりわからない読者の方へ。

 昔『まいっちんぐマチコ先生』という、伝説のアニメがあったんですよ。どんなアニメか簡単に説明すると、

【まいっちんぐマチコ先生】

マチコ先生は大学でたてのほやほや新人中学校教師。その容姿と見事なバディに、いたずらっこや同僚男性教師陣はもうクギづけ。

いたずらっこは挨拶代わりにマチコ先生へ

「おっぱいターッチ!」
「スカートめくり!」

という、とんでもない暴挙をくりかえし、同僚の男性教師はマチコ先生と絡むと、なにかしらのアクシデントで必ずエッチなことになってしまうという、とんでもない内容の子どもむけ(?)アニメ。

そういったセクハラ攻撃を浴びながらも、当のマチコ先生はお決まりの文句である

いや〜ん、まいっちんぐ!

の一言で水に流してしまうという、菩薩様のように広い御心をもつ、とてつもなくできた女性。

このドタバタエロコメディーに、股間を熱くしてしまったお父さんも多いはず。

ちなみにキメゼリフの

まいっちんぐ

は、「まいった」に進行形の「〜ing」を加えた造語であると推測できる。

というような、しょーもないアニメだった。こんなのが家族が食卓を囲む時間、まさに夜の7時のタイミングで堂々と放送されていたのだから恐れ入る。

 当時小学4年生だったオレは、とりあえず新番組がやるというのでチャンネルを『マチコ先生』にあわせた。このときオレはまさか上記のような内容だとは、まったくもって知らなかったのである。いや、ホントだって!なんにも知らなかったんだよ!

 そろそろ始まる時間が近づいてきたその直前、兄貴が両親から説教をされはじめた。なにを悪さしたのかは覚えていないが、けっこうこっぴどく怒られているようだ。しかもテレビの前に座っている、オレのすぐ後ろで、オヤジとお袋に挟み込まれる格好で・・・。

 そして番組は始まったのである!ブラウン管からながれるあの曲。

 ♪い・つ・も・バあ〜ラあ〜色お〜に燃おえてえ〜
 ♪この胸え〜ときめくうう〜
 ♪つ・ぼ・み・かあらは〜なへえ〜
 ♪私はマチィコおおお〜 イエイイエイ!

オープニングを見た瞬間、オレはこのアニメの方向性を理解した。正直ヤバイ。できれば親と一緒にはみてはいけないジャンルだ。しかもオレの真裏では、真剣なバトルが展開されているという、このとんでもないシチュエーション。

チャンネルを変えるか?

今ならまだ間に合う。しかし・・・「エッチな内容だから、バツが悪くなってチャンネル変えやがったな」なんてことを両親には悟られたくない。もう少し様子をみるか・・・この間の思考時間0.05秒。後ろの説教はさらにヒートアップしてきたようだ。オレは振り返ることすらできない。

お袋「どうしてお前はそういうことするの!」
兄貴「エッグ、エッグ(嗚咽?)」
オヤジ「泣いても許されんぞ!」
テレビ「おっぱいターッチ!
オレ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(汗)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
お袋「・・・・・・・・・・・・・・・・?」
オヤジ「・・・・・・・・・・・・・・・?」

ヤバイ!親がこちらをチラリと見たのがわかる!振り返らなくても、その波動を感じる!しかし一瞬凍りついた空気は、すぐにバトルへと戻った。・・・ほっ。

オヤジ「いいことと悪いことの区別もつかんのか!」
お袋「もう5年生でしょ!」
兄貴「ウエーン(もはや言葉にならない)」
テレビ「先生のパンツはピンクーっ!
オレ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(凍)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
オヤジ「・・・・・・・・・・・・・・・・??」
お袋「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・??」

もう限界じゃないのか?!いやいや待て待て。ここで不審な動きをして、「ほほう、アキラも親の前ではエッチな番組もみづらいか」、なんて思われたらどうしよう!もう少し我慢だ。オレは「だるまさんが転んだ」のごとく、固まった視線をテレビから動かさなかった。

オヤジ「反省しとるのか!(怒号?)」
お袋「もう二度としちゃダメよ!」
兄貴「・・・・・・(放心状態?)」
テレビ「いや〜ん、まいっちんぐ!
オレ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

説教はクライマックスをむかえ、『マチコ先生』も、それにシンクロするようにクライマックス!体は粉になってしまったが、どうにかこの最悪のシチュエーションでの30分間を、オレは乗り切ったのであった。

 オレは思った。もしオレが家庭をもったなら、

エッチな話で固まらない、フランクな家庭をつくろうと。

(2003年12月7日)

 

 

 

 

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