初めてのエロ本

 

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 ここは関東地方のあるおうち。次男坊のアキラくんは高校2年生です。なにやらご満悦の表情ですね。どうやら長らくお兄さんと共有していた子ども部屋から独立して、自分の部屋を与えられたことがかなり嬉しいようです。

 今までなかなか一人の空間が確保できずに不自由してきましたが、これからは違います。今までやりたかったあんなこと、こんなことが気兼ねなくできるのです。例えば自分の好きな音楽を聴く、自分の好きな絵を描く、そして…ムフフ。とにかく他人の目を気にすることはありません。

 日曜日の昼下がりです。おや?アキラくんがどこかに出かけるようですね。

アキラ「ち、ちょっと出かけてくる」
母親「どこ行くの?遅くなるの?」
アキラ「…ちょっと。す、すぐ戻るよ」

 なにやらアキラくんの挙動が怪しいですね。それもそのはず、アキラくんはこれから初めてのエロ本を買いに行くのです。一人部屋を与えられたことで決心した、記念すべきエロ本デビューの日なのです。しかし出発からこんな具合では、この先の道中が心配ですね。はたして無事にエロ本を購入することができるのやら…

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 さて自転車をふらふらとこぎながら出発したようです。目的の本屋さんは「小川書店(仮名)」です。地図をみると、駅の西口商店街のようですね。そういっているうちにアキラくん、お友達に遭遇したようですよ。

友達「よう!どこ行くん?」
アキラ「ちょっと、な」
友達「買い物? 一緒に行こうか? ヒマなんだよ、オレ」
アキラ「わ、悪い、今日はオレ急いでるんだ」

 あれあれアキラくん、しどろもどろの対応です。いきなり精神的に揺さぶられたようですね。思わずついたウソで、友情にヒビが入らなければいいのですが…。

 ピンチを切り抜けて、さらに自転車をこいでいきます。あれ? アキラくん、そこの道を曲がらないと小川書店には行けませんよ! そのままだと駅の東口にでてしまいますよ! はやく間違いに気づかないと大変なことに…。

アキラ「よし…と」

 自転車から降りたアキラくんが向かうところは…あれあれ?東口の大型書店ですね。予定の小川書店からの変更でしょうか。日曜日の昼下がりということで、多くの立ち読み客がいます。レジを見ると…あ〜、若いお姉さんがいますね。こんな過酷な環境でアキラくんは初めてのエロ本を敢行するのでしょうか? いやはや、意外に度胸があるのかもしれません。

 店内をぐるぐると見渡して…ありました。エロ本コーナーですね。お、その隣のオートバイ情報誌のコーナーで立ち止まりましたよ。バイク雑誌をなにやら熱心に立ち読みしています。バイクに興味があるのでしょうか…? いや、目は雑誌を見ていません。向かう視線は隣のエロ本コーナーですね。なんとバイク雑誌はフェイクです! バイク雑誌を読んでいるふりをしながら、どんなエロ本が出ているのか、リサーチしているようです! いやはや、意外に抜け目がありません、アキラくん。

アキラ「ふう」

 バイク雑誌を元にもどし、店内を出ます。そしてまたもや自転車にまたがり、こぎ始めました。一心不乱にこいでますね。方向もまちがいありません。小川書店にまっしぐらです。速い、速い。事故を起こさなければいいのですが。

 とうとう目的の小川書店に到着しました。先ほどの大型書店とは打って変わって、人気の少ない店ですね。レジは…中年のおばちゃんです。これはポイントが高いですよ。人気の少なさと、レジのおばちゃん。アキラくんはすでにこういったロケーションもリサーチ済みだったのでしょうか。だとしたらこの小川書店を選択した理由がわかります。

 お、アキラくん、足早にエロ本コーナーに行きましたよ。目の前には『で○べっぴん』『ス○ラ』『アップル○信』といった、たくさんの種類のエロ本が並んでいます。これは選ぶのに時間がかかりそうです…いや、アキラくん、すぐに『でら○っぴん』に手を伸ばしました。迷いがありません…なるほど、先ほどの大型書店でリサーチしていた理由がわかりました! どのエロ本を買うのかアタリをつけておいて、実際購入するときは最短時間で購入できるようにしたわけです。「エロ本を買う」という羞恥行動の時間をなるべく短くしたわけですね! いや〜、用意周到すぎます! 恐れ入った!

 あとは会計をすますだけ…と、その瞬間、雑誌を取り替えました! 『でらべっぴん』⇒『週刊プレイボーイ』に変更です! いったい何がアキラくんの心の中で起こったのでしょうか?!

おばちゃん「300円です」

 そそくさと財布から300円を取り出すアキラくん。おやおや、お店のおばちゃんと視線を合わせようとしません。いかにもバツが悪そうな感じです。視線が宙を泳いでますね。その間10秒。品物を受け取ると、すぐに自転車にまたがりました。そして一直線に家に帰ります。飛ばしすぎです。

 玄関の前に来ると…あっ! 雑誌をお腹の中に隠しましたよ! これは家族の不意打ちを恐れた行動でしょうか!? ものすごい用心深さです。

母親「お帰り」
アキラ「あ、ああ。だだいま」

 交わす言葉も少なく、階段をかけ上がります、アキラくん。そして自分の部屋に入り、ドアを閉めてすぐに押入れを開けました。その押入れの奥のほうに…あ、雑誌をほうりこみました! おやおやアキラくん、隠すにしても、これはやりすぎでしょう! こんなところ大掃除でもしない限り、絶対開けませんよ! そこまでしなくても大丈夫だと思うのですが…必要以上に警戒しているみたいですね。まあなんにせよ、初めてのエロ本、大成功で幕を閉じました。お疲れさまでした。

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【おまけ】

 さて、初めてのエロ本、いかがでしたでしょうか。思春期の男の子の気持ちが、痛いくらいに伝わってきましたね。おそらくアキラくんにとっては大冒険だったのでしょう。ただ、一つ疑問が残ります。なぜ直前で雑誌を変更したのでしょうか。その辺を現在のアキラさんに聞いてみたいと思います。

聞き手「なぜ直前で『でらべっぴん』⇒『プレイボーイ』の変更が行われたのでしょうか?」
   
アキラ「『でらべっぴん』は100%エロ本だけど、『プレイボーイ』は時事ネタも入った50%エロ本だという意識が自分の中にあって、まだ羞恥心を緩和できたんだよね」
   
聞き手「なるほど。でも正直いって、売る方はそんなこと気にしてないと思いますよ」
   
アキラ「いいの! そういうことで自分自身を納得させたかったの!」
   
聞き手「…わかりました。で、最近もよく『プレイボーイ』はご覧になってらっしゃるということですが…今でも押入れに隠しているんですか?」
   
アキラ「は? 『プレイボーイ』なんて電車の中で読めるよ」
   
聞き手「・・・・・・・・・・・・・・・(あ然)」

 こうして少年は大人になっていくんですね。

(2004年7月4日)

 

 

 

 

 
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