コンピューターゲームを生まれて初めて知ったのは、おそらく誰かの家でやらせてもらった「テレビブロック崩し」が最初だった気がします。世の中にこんな面白いものがあるのか、と幼心に感動した覚えがありますね。1970年代から玩具メーカーがこぞってこういったコンピューターゲームを開発しだし、様々な商品が世に出回りました。そんな中で、一際個性を主張していたのが、任天堂の『ゲームウォッチ』(正確にはゲーム&ウォッチ)です。

 まずその大きさが革新的でした。ポケットにも収まるハンディなサイズ。今までは家の中でしかできなかったゲームが、外に持ち出せるというモバイル性。場所を選ばずにプレイが可能になり、現在では当たり前になっているモバイルコンテンツライフが身近になったのです。また、ゲームの他に時計機能がついており、卓上&目覚まし時計としての役割も持っているという2WAY性にお得感を感じることができました。これが初めての自分専用の時計になったちびっ子も多かったと思います。

 最初は友達が持っていた『ボール』や『ヘルメット』などを、公園で遊ばせてもらった記憶があります。公園ってのがモバイルな感じですよね。公園にいるんだったら野球でもやれっつの(笑)。肝心のゲームは単純ながらものめり込むシステムとなっており、サルのように何度も繰り返しては遊んでいました。一つ一つのソフトがゲームとしてしっかりと作り込まれていたこと、これこそがヒットの要因でしょう。無駄をそぎ落としながらもゲームとしての楽しさが根幹にある。シンプルイズベストのお手本のようです。

 ちなみに私が初めて手にしたタイトルは『オクトパス』です。誕生日か何かのタイミングで親にせがんで買ってもらいました。この頃はゲームウォッチブームが波に乗り、任天堂もイケイケだった頃だと思います。2の矢、3の矢という感じでコンテンツを市場に投入し、画面がワイドになった「ワイドスクリーン」なる規格の中にこの『オクトパス』もラインナップされていました。今まではシルバーを基調した機体もシャンパンゴールドになり、高級感が増していました。この差別化は子ども心にも優越感がありましたね(笑)。

 初めて自分の所有物となったゲームウォッチ『オクトパス』は、幼き期待感を充分に満足させてくれました。大ダコの脚をかいくぐり、海底のお宝を水夫がゲットしていくという単純明快なゲームなのですが、シンプルながらまあよくできていたと思います。一番のポイントは、大ダコの隙を突けば、ボタンの連打で財宝をより多く獲得できるという点ですね。欲をかきすぎて脱出のタイミングを誤ると、逆に大ダコの餌食になってしまうという(笑)。この人生でも起こりうる(笑)駆け引きをゲームシステムに導入した点が、個人的には評価が高いです。また、時計機能も存分に活用し、このアラームで夏休みは起床していましたから(笑)。しゃぶりつくしましたね。

 ゲームウォッチブームは当然のことながらクラスを席巻します。友人が別々のタイトルを持ちより、集まった家が何種類ものゲームを備えたゲームセンターと化すこともありました。こうなるとダブリタイトルを購入することがしづらくなる雰囲気がでてきて、新たに購入を考える友人には誰も持っていないタイトル購入を薦める話術が捗りました(笑)。このせいでホントは欲しくなかったタイトルを購入させられた人もいたんだろうな。ごめんね(笑)。

 その後ゲームウォッチは上画面・下画面を備えたデュアルスクリーンなど発展していき、操作ボタンも十字キーを初めて採用するなど、その後のファミコンやDSの下地となるような形態が登場しました。そして任天堂はこのゲームウォッチで蓄えた経験とリソースを活かし、のちのファミリーコンピュータにステップアップするわけです。こんなに順調で高揚感溢れるバトンタッチはめったに見られるものじゃなかったと思います。いい時代です(笑)。

(2015年8月1日)

 

 

 

 

 

  

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